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第306話

4限終了の終鐘が鳴り響く校舎。 やっと終わったと欠伸を隠す事なく教室へ帰って行く生徒を横目に、黒板を消し暖房を切る。 最後に、午後は使われない特別棟の戸締まりを確認をして教科書を持った。 「あ…」 「あ、こんにちは。 三条くん。」 4棟を通り過ぎ様とした時、トイレ脇に人影を見付けた。 にやにやするのを隠さず見下ろすとトイレに入って行くから自分もそれに続く。 「…そのネクタイ…っ」 顔を真っ赤にプルプルと震えて小動物みたいだ。 少しいじめてやろうか 「あぁ、気に入ってんだよ。 似合わないか?」 「似合う似合わないじゃなくて……それ…」 「ん?」 「だって…」 「またしような。 緊縛プレイ。」 「っ!!」 「今度は縄、な?」 誰も居ないのを良い事に頭を撫でてやる。 真っ赤になった耳を擽ると肩を震わせた。 ほんっと可愛い奴 学校じゃなきゃ押し倒してぇな 我慢だともう1度頭を撫で、ひらひら手を降ってトイレを出る。 すぐパタパタ足音が付いて来るからたまらない。 まるで小動物みたいだ。 擦れ違う生徒に気付かれないよう真顔を装い準備室前で分かれる。 案の定、準備室で携帯を覗くとメッセージが届いていた。 『そのネクタイ、似合ってるから俺の前でしか付けないでください。』 そうきたか やっぱり飽きないな 「長岡先生何か良い事でもありましたか? なんか嬉しそうですね。」 「えぇ、ちょっと」 「良かったですねぇ。」 穏やかな隣席に頷くと昼飯の弁当を取りに職員室へと向かった。

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