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第341話
体育館へ移動すると、別れを惜しむ声や喜ぶ声で溢れていた。
ガヤガヤと騒がしい体育館に学年主任の声が響く。
「早く終わればその分早く帰れるから進めるぞ。
じゃあ、クラスごとに名簿順に並んで腰下ろして。
担任の先生を発表するからな。」
移動しながらも視線を巡らせれば、頭1つ大きいその人は居た。
担任かどうかはまだ分からない。
生徒が腰を下ろすと主任はひとつ咳払いをした。
まるで注意を集める様なそれに視線を移す。
「はい。
じゃあ、気になってる担任の先生の発表な。
A組、担任は長岡先生。
副担任は新発田先生と佐渡先生。
B組、古川先生…」
三条達が並ぶ列の前に長岡が立った。
会釈をする長岡から目が離せない。
喜ぶ女子の声も聞こえない。
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