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第352話

この4月から5年生になりました。 三条優登です。 最近の趣味はお菓子を作る事です。 ベーキングパウダーを入れただけであんなにふわふわに膨らむのが面白くて色々作ってます。 あと同じ様に膨らむ卵白ってすごい。 それに、兄ちゃんも美味しいって褒めてくれるのがすっごい嬉しいです。 あ、俺には6つ歳の離れた兄がいます。 「兄ちゃん遊んでー。 暇ぁー。」 「ここ終ったらな。 もう少し待ってな。」 外は雨で宿題のドリルも済ませたおやつ時、手持ち無沙汰に飽きた優登は兄に甘えた。 一度問題集から目を離して、俺の目を見て言ってくれる。 兄ちゃんのこういう所、すごく嬉しいし格好良いし俺も真似しようって意識してる。 それに、人の良いなと思った所は真似しなさいって父さんと母さんが言ってたから俺のお手本。 じゃあとゲーム機を引っ張り出して待っていると終わったーと兄ちゃんは伸びた。 袖から見える腕は白くて細い。 身長は15㎝以上高いのに俺と変わらない細さに、台所からおやつのお菓子とジュースを持って来た。 「至れり尽くせりだな。 ありがとう。 んじゃ、やるか。」 「俺から選んで良い?」 良いよと良いながら美味しそうにコーラを飲んでいるから、遠慮なく1番使いやすいキャラを選択した。 兄ちゃん、最近土日は殆ど家にいないからその間に友達と練習したし今日こそは勝てるはず。 ……のはずなんだけど。 「なんで!」 「運じゃね?」 「悔しいっ! でも手ぇ抜かないでもっかい!」 手を抜いてもらって勝てても嬉しくない。 何回も挑戦する。 それに文句を言う事なく付き合ってくれる兄ちゃんにコーラのおかわりを持って来るとにこにことお菓子を食べていた。 よく食べるのになんでこんなガリガリなんだろう。 俺もお腹の骨は見えるけどそれ程じゃない。 はず。 「でも、優登強くなったな。 あのコーナーやばかった。」 「ふふんっ。 そこはめっちゃ頑張ったもんねっ!」 負けはしたが、一瞬抜いたコーナーは友達と猛特訓した場合だから嬉しい。 兄に褒めらた優登もにこにことお菓子を口に運んだ。

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