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第424話

いよいよはじまった試験に教室内はピリピリしていた。 と言っても、選択クラスはもっとすごかったからA組はまだ良い方なのだろう。 ピリリと引き締まる空気に、三条は背筋を伸ばした。 「秒針が12にきたらはじめるよ。 ……3、2、1、はじめてください。」 試験監督の女教師の声にテスト用紙を表に返し問題文に挑む。 大丈夫 落ち着けば出来る 秒針がときを刻む中、その音さえ聞こえない程に集中した。 「おしまい。 ほら、手止めてね。」 ふぅと息を吐くと教室内の空気が緩むのがわかった。 この瞬間、気を緩め過ぎてしまえば次のテストに響いてしまう。 集めたテスト用紙を抱えて出ていく教師の背中を見送りながら欠伸を噛み殺す。 短い休み時間だが最終確認とプリントを取りだし次に備えた。

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