423 / 1273

第423話

みんなでラーメンを食べ帰宅した三条は夜ご飯も完食し、テスト勉強をすべく足早に部屋に籠っていた。 「…」 『…』 通話口からは時々ページを捲る音や生活音がするだけで会話はない。 三条も長岡もお互いに黙々と作業をこなす。 それでも通話は繋げたまま、まるで通話口から空間が繋がっている様に錯覚してしまう。 クシュンッ 『大丈夫か。 最近冷えるからな。 腹冷やすなよ。』 「大丈夫です。 正宗さんも気を付けてくださいね。」 『休んだら遥登の顔見られねぇからぜってぇ休まねぇよ。』 本気か冗談か解らない長岡の言葉に自然と笑みが零れた。 毎日会っても足りない。 言外にそう言われてる様で擽ったい。 『手、止まってんだろ。』 見透かされた長岡の言葉に慌てて視線を参考書へと戻す。 「そんな事ないですよ。 ちゃんと勉強してます。」 『本当かよ。 笑ってんだろ。』 そういう長岡だって笑っている。 1人の部屋なのに不思議な気持ちだ。 『補習授けんなら古典か現国にしろ。 みっちり教えてやる。』 「教え方が上手い先生が担当なので大丈夫ですよ。」 『そうか。 それは良かった。』 クスクスと笑い合い穏やかな空気の中互いの作業に戻る。 テスト期間も嫌いじゃないかも

ともだちにシェアしよう!