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第426話

「テストお疲れ様。 土日はしっかり休んで、来週から頭切り換えてください。 体育祭準備もはじまるし体調管理気を付けてな。」 無事テスト明けとなったEHR。 担任の声に張りつめた空気は緩む。 「せんせー、席替え!」 「今か? あー、準備するから待ってな。」 「やった!」 席を動きグループでワイワイと騒ぐ生徒を横目にプリントを破き数字を書いて折り畳んだ簡単なくじを教卓に散らばす。 田上と吉田も例外ではなく三条の席に集まってきた。 「座先書くから好きなの引いて待っててな。 あと、視力とかで前が良い人は申告してください。」 「うぃー」 「残り物の方が良いかな?」 「どうしよう。 前は嫌だなぁ。」 「どうする? もう行く?」 「ん、どうしようか。 少し人が減ったらにする?」 三条達は人の波が退いたのを確認して前に出る。 長岡は座席に適当に番号をふるい分けていた。 「俺2だ。」 「えっと、27」 「俺8。 何処だ?」 書き途中の黒板を覗くとバラバラに散らばった数字の中から手の中の数字を見付けた。 27は窓側後方。 田上の2はその隣、そして吉田は更にその隣と並んだ。 「おー、隣かよ! よろしく!」 「よろしく。 吉田も!」 「やったー、三条から課題写させてもらえんじゃん!」 「いや。 見せねぇよ。」 「なに、三条達並んでんのかよ。 良いなー。」 気持ちの良い風の入る窓側。 これからの季節は強い日差しに当たるがそれでも気持ち良い席だ。 クラスメイト達も席を見付け動き出す。 新しい席でEHRを終え、その日は解放となった。

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