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第530話

「最後の確認って言うか、最早悪足掻きだよな…」 「範囲狭い筈なのになんで要点多いんだよ…」 テスト最終日、最後のテストは田上吉田の最も苦手な古典だった。 前日三条と長岡が製作した対策プリント等で長い事勉強したが、苦手意識が強いだけに古典と言うだけで身構えてしまう。 「大丈夫だって。 対策プリントもしたし、昨日出来てただろ。」 「三条と長岡の対策プリントなきゃ俺達終わってる…」 遠い目でプリントを必死に覚える田上は、昨日放課後数時間で要点を丸暗記していた。 「田上暗記得意だろ。」 「俺がやばい…。 暗記も苦手だ。 田上、一緒に補習出ような。」 おう…と田上が心ここにあらずな返事を返すと、試験監視の教師が教室に入って来た。 「ちょっと早いけど席に着いて。 テスト配るよー。」 鞄にプリントを突っ込みながら名残惜しそうに三条を振り返った田上の顔は、まるで悟りを覚えたかの様だった。

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