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第560話
「吉田達同じグループが良いよな。
んじゃ、そっち3人で俺ら4人で良いか?」
和気藹々と進むホームルーム。
修学旅行に加え、文化祭と秋から冬にかけてはイベントが目白押し。
と、言うより、雪が降ってしまえば出来る事が制限されるの方が合っているのかも知れない。
文化祭準備と平行しながら修学旅行関係も済ませていくのは楽しいが少しきつい。
だけど、担任の長岡の方が忙しいだろう。
現に配布された3枚の課題は、長岡が作った物のようだ。
「美ら海、パイナップルパーク、首里城、沖縄って感じだな。
テンション上がるわ。」
「楽しみだな。」
友人と話ながらも、三条はちらりと教室前方を一瞥する。
教室隅のパイプ椅子に腰をおろし、手元のプリントに視線を落とすその姿も格好良い。
プリントを捲る際、きらりと胸元が蛍光灯を反射した。
「じゃあ、ホテルの部屋割りはこれで良いだろ。
一応確認して。」
「おー。」
ホテルの部屋割りもグループ活動も田上と吉田と一緒。
人数が足りない時は臨機応変にバラけてはいるが、それでも仲の良い友人と一緒は嬉しい。
「女子達は大変そうだな。」
「え?
あー、まぁ、そうだな…」
仲が良いと言ってもなるべくグループは崩したくない女子達はどうグループを崩せば良いか話し合っていた。
自分達はここを妥協するからこっちは誰かと声が聞こえる。
「三条くん、今日する?」
「あ、やりたい。
横田達大丈夫?」
「うん。
22時過ぎからで良い?」
「うん。
俺も連絡する。」
「なに、ゲーム?」
「そ。
スキルスゲーム。
最近流行ってんの。
横田に教えて貰ったんだけど面白くて。」
他愛もない話に花を咲かせながら女子達の話し合いが終わるのを待つ。
何時までかかるのだろうか。
まだ女子達の話し合いは続いている。
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