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第591話
翌日、制服に着替えた生徒達と広いロビーで簡単な朝礼を済ますとバスで首里城へと移動する。
澄みきった空の色と朱色のコントラストが鮮やかだ。
首里城をバックにクラスの集合写真を撮り、生徒の楽しそうな笑顔もカメラに押さえていく。
カメラを向ければ笑顔を向ける生徒達。
みんな青空に負けない位の良い顔だ。
「先生も一緒に撮ろうよ。
ね、良いでしょ?」
「先生は良いよ。
撮ってやろうか。」
「先生も。
ね?ね?」
女子高生と写真を撮れる機会があるというのはある種特例だ。
撮りたくて取れない人は沢山いる。
だがこれは仕事だし、そもそも興味もない。
今日位とカメラに収まると他の女子生徒からも誘われる。
一組受け入れれば後は断れない。
これが面倒なんだと漏れそうになるため息を飲み込み受け入れた。
「ありがとうございました!
やったぁ」
「私も良いですかぁ?」
やっと波が去ったかと思えば、後ろから作った高音。
聞き間違えても野郎の声に振り返ると笑いを堪えた吉田がいた。
「良いですよ。
ツーショットですか。」
「嘘です嘘です。
来ないでくださいっ。
先生めっちゃモテてるから…ぶふっ、すみません。」
「帰ったら課題山程出すぞ。
3人で撮ってやろうか。」
「えー、長岡先生も一緒に撮りませんかぁ。
ぶふっ」
まだ可笑しそうに笑っている吉田の後ろで楽しそうに写真を撮っている三条達に声をかける。
一瞬三条の顔がパァァと明るくなった。
可愛い反応して犬かよ
「吉田なに笑ってんだ?
横田達も一緒に撮ろうぜ。
な?」
「良いの?」
「あ、知佳ちゃん美知子ちゃん一緒に写らない?」
「写る写る!」
3人組の声かけに男女混合、クラスの1/3が集まった。
ギチギチにならないよう数歩下がり、写りを確認する。
楽しそうな田上達にデレっとした顔をした吉田。
そして、レンズの向こうの眩しい笑顔。
「撮っても良いか?」
この後は民泊体験の為、一旦バラバラになる。
この笑顔も明日の昼迄見れないのか。
少し寂しいが民泊体験の話は帰ってから沢山聴こう。
今はこの笑顔を満喫しようとシャッターを切った。
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