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第593話
「すげぇ。」
「おーっ。
キッチンついてんぞ。」
「豪華だな。
これ一部屋いくらだ。」
民泊先から自由体験、そして夕方になりホテルへと移動すると、三条達を出迎えたのはすごい数のシーサーだった。
迫力満点のその外見に中はとても綺麗で、部屋は豪華。
ホテルというより部屋だ。
随分快適に暮らせる。
「じゃあ、まずは…」
「じゃんけんっ、ほいっ」
「俺ここっ!」
「じゃあ、俺ここな。」
部屋に入って早々にベッド場所のじゃんけんをした。
2台のベッドに修学旅行様に設置された簡易ベッド。
簡易ベッドと言ってもしっかりとした物で決して見劣りするものではないが、場所も離れていて場所決めをする事にした。
「俺だけ離れてねぇ?」
「それ運び入れたやつだしな。」
「ま、広々使えるし良いか。」
荷物をおろし、制服のままベランダの窓を開けると気持ちの良い風邪が部屋に入り込む。
「すげぇ見張らし良いな。」
「おー、高ぇ。
空が近ぇな。」
「もう明日帰んのか。
早ぇな。」
「楽しかったな。」
民泊先の近所を散歩しているとパパイヤや見たこともないの植物に目を輝かせ、海へと行けば持ち前の適応性の高さを生かし岩場をぴょんぴょんと渡り魚を見付けては犬の様に喜んだ。
まだ1日残ってはいるが、明日の昼過ぎには空港へ向かわなくてはいけない。
長いと思った4日はゆったりとした沖縄の時間の中でも、足早に過ぎていった。
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