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第748話

今年のゴールデンウィークは間を挟んで3連休と4連休。 3連休1日は田上達と勉強会をするらしく、4連休は外泊に来るらしい。 木曜から日曜まで恋人を一人占め出来るなんて楽しみでならない。 「おはようございます。」 「ん、おはよう。」 初めと変わらず頭を下げて挨拶をする三条の丸い頭部を撫でる。 バス停から部屋迄日光に当たった頭はあたたかい。 天気予報を見て、アイスコーヒーを用意しておいて良かった。 「勉強は進んだか。」 「はい。 目標が決まってからやる気出てきまして…」 迷いに迷っていた時の事が恥ずかしいのか誤魔化し笑っている。 穏やかな見た目に反して芯が強く、真面目で少し頑固。 だけど、簡単には折れないしなやかさ持ち合わせている。 春休みの課題の確認テストの点数もだが、授業に対しても質問内容がぐっと深くなった。 生憎専門科目を校外で教えてやる事は出来ないが、他の教科なら少しは手伝える。 自分と同じ職業を目指すと決めた恋人は凄まじい集中力と学習能力の高さをみせていた。 「そりゃなによりだ。」 ぽんと頭に手を置くと、はにかみながら頷いた。 何時もより高い温度がじわじわと手のひらをあたためる。 まるで、遥登の存在の様だ。

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