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第818話

テスト前日になって漸くすべての教科でテスト範囲が終わった。 もう明日はテスト日。 初日にないとはいえ本当にギリギリで、なんで終わるか終わらないのかギリギリの範囲にするのだろうかと考えていると、後ろから声をかけられた。 「さーんじょっ、自販機付き合って。」 「うん。 行く。」 ロッカーで教科書の入れ換えをしていると教室から出てくるなり田上は声をかけてきた。 ロッカーから取り出したばかりの教科書を手にしたまま、階下へと降りれば上階よりはマシな気温な気がする。 あくまでも“気”なだけ。 暑い事には代わりない。 自販機の前に来ると、冷たく冷えた飲み物が恋しくなる。 確かポケットに小銭が入っていたはずだと、三条は後ろポケットに手を突っ込み小銭を握った。 「そういえば、吉田は?」 手のひらには100円玉が2枚。 「あぁ、今日提出のプリント出し忘れたからって持ってった。」 「ふぅん。」 「奢っちゃろうか。」 「やった。 じゃあ…これ。」 友人の言葉に甘えボタンを押すと、ガコンと吐き出されたレモン味の炭酸水。 「ありがとう。」 「何時も古典教えて貰ってるしな。 今回も赤点回避出来ると良いんだけどなぁ…。」 「大丈夫。 田上めっちゃ頑張ってただろ。」 「三条、知ってるけど良い奴だな。」 肩をぶつけてくる友人と自分のペットボトルがぶつかると、中身がシュワシュワと泡をつくる。 教室に戻ったらもう1人の友人は自分の分はと嘆くだろうなと話ながら教室へと戻っていく友人の手にはもう1本。

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