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第867話
後始末を済ませベッドの隅で丸くなっていると、飲み物を取りに行っていた長岡が麦茶の入ったポットとマグを持って帰ってきた。
マグを受け取り、長岡がチェストにポットを置くとひんやりとした物が目の前に差し出される。
「アイス食おうか。」
長岡の言葉に笑顔で頷くと長岡も愛おしいしそうに目を細めた。
半分に分けられた濃紫のアイスを受け取る。
チョコレート色のも美味しいがこの果実のスムージーもさっぱりしていて美味しい。
ベッドから降りて、床に三角座りをするといただきますと口を付ける。
長岡もその隣に尻を付きちゅーちゅーとアイスを吸う。
「美味いな。」
「はい。
美味しいです。」
肩が触れ合う距離にいる、この大好きな人と分け合うからこそより美味しい。
長岡も、そう思ってくれていると嬉しい。
「そうだ、今日噛んでねぇな。
噛んで良い?」
「え、と…、そうですね。
……アイス、食べ終わったら」
冗談のつもりだった長岡は苦笑しながらも肩をぶつけてきた。
「良いのかよ。
じゃ、後で沢山噛ませてな。」
「あの、俺も、良いですか…?」
「ん、どうぞ。」
僅かに上がる口端を見て長岡は、それからココにもとちゅぅと唇にそれを重ねてきた。
甘くて冷たくてくらくらする。
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