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第868話

僅かに上がる三条の口端を見て長岡は、それからココにもと唇に自分のそれを重ねてきた。 ふわっとアイスの甘いにおいに長岡のにおいが混じる。 「アイス食ってたから口も冷てぇな」 冷たくて甘くて、涼しい室内なのにじわじわと汗が吹き出てきた。 口を手で覆い隣を見やると楽しそうな顔をしてこちらを見ている恋人と目が合う。 わざとしているのかわからない。 恋人の悪い癖。 だけど、嫌いじゃない癖。 三条は意を決し左腕を掴むと、ちゅぅっと口の端に吸い付く。 低い体温は冷房でより冷えていて冷たくて気持ち良い。 「アイス溶けんぞ。」  「…早く食べますから、あの、もっと」 目の前の綺麗な顔が表情を変える。 あ…好き この顔、好き 三条の1等好きな顔になった。 「ん、もっとキスしような。 それから、噛み痕も。」 この顔が大好きで、もっと見ていたくて、もう一度そっと唇をくっ付けた。 ゆっくりと顔を離すと大好きな顔をした長岡と視線が絡む。 恥ずかしいけれど真っ直ぐに見たまま返事をすると長岡からもキスが降ってきた。 アイスを食べながら甘い空気に漂ゆたい飲み込まれる。 その後もベッドでいちゃいちゃしたり、一緒にご飯を食べたり、すごく楽しい3連休でした。

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