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第869話

単調な電子音が心地良い眠りから覚ます。   枕に顔を埋めながら枕元を手探り、寝惚け眼でアラームを止めた。 連休明けの朝はなんとも憂鬱だが、学校に行けば担任に会える。 気心知れた友人も。 それは楽しみだ。 冷房でひんやりした床に足を着けると一回伸びてからカーテンを開けた。 カーテン越しでもわかったが、今日も酷暑の様で朝も早くから太陽がぎらぎらと容赦なく照り付けてくる。 良い天気を通り越す天気だな 朝なのにもう日差しがあっつい 三条は、眩しい日差しに目を細め、欠伸をすると着替えにとりかかった。 Tシャツとハーフパンツを脱ぎ、マーキング塗れの身体を真っ白なYシャツで隠す。 赤や紫に色を変えた独占欲が視界に入る度に恋人を思い出してはしあわせな気持ちを噛み締める。 噛み痕は汗で滲み痛むがそれすら愛しい。 重症だなと恋人に話せばきっと髪を掻き乱しながら笑うだろう。 簡単に想像出来るその姿を想像すると、ふと頬の力が緩む。 スラックスをベルトで押さえネクタイを締め上げると、癖のない髪を手櫛で整え優等生が出来上がった。 袖を捲り、勉強机の上から腕時計を手に巻き付けるとスマホと鞄を手に部屋を出る。

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