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第980話
やっと決まった文化祭の催しは、はしまき。
本決定は木曜の生徒会会議の後だが、優先度の高い3年ならまず通るだろう。
「あ、小回り効くから三条くんも調理手伝ってよ。
ね?」
「え、俺…?」
「調理実習の手際良かったでしょ。」
それは家でもしているからで…
でもそんな事を言えば余計期待されてしまう
小論指導もあるけど…
…まぁ、良いか
「んー、わかった。」
「やったぁ。
会計もお願いしちゃおうっ。」
「ねぇ、田上と吉田もしたいって。」
「言ってねぇよ!?」
「三条!?」
「田上と吉田もね。
三条くんありがとう。」
「どういたしまして。」
両脇から何でだよと揺さぶられながらにやにやしている三条。
両脇を挟む友人もなんだかんだ楽しそうな顔をしている。
受験生とは思えない穏やかな笑顔だ。
「吉田、三条折れるからやめたれや。」
「俺だけ!?」
「B組に響くからもう少し音量下げてください。
聴こえてますか。」
「うぃーす」
放課後小論指導もあるのにと言いたい事を長岡は飲み込み、生徒達に声をかける。
隣のクラスに迷惑をかけてないかとヒヤヒヤする。
だけど、良い笑顔だとも思う。
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