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第989話
小麦粉、顆粒だし、紅生姜、天かす、青ネギ。
トッピング用のチーズにたまご。
近くの業務用スーパーで買い出しをして試作2日目。
副任の家庭科教諭のお陰もあって大分形になってきた。
屋台組も前売り券を作ったり、ポスターを作ったり準備は着実に進んでいる。
「トッピングは各プラス50円で大丈夫そうだね。
あとは使い捨て容器…やっぱりネットが安いよね。
それから、ゴミ袋用意しなきゃ。
あれ、ゴミ袋って生徒会に貰うんだっけ?」
スマホを覗きながらはしまきをかじる委員長に各々が頷く。
重さは差ほどでも嵩張る物。
送料次第ではネットで業務用が安いだろう。
自分達の時とは時代が違うと担任と副担任は苦く笑う。
焼く練習も兼ね試作を焼き大分形は出来てきた。
田上も吉田も器用に焼いていく。
「俺うめぇ。」
「俺だろ。
なぁ、三条。」
「2人とも上手い。
じゃ、当日は俺いなくて大丈夫だな。」
「いやいやいや、三条も居てくれよ。」
「えー」
楽しそうに笑う三条の両隣を陣取った友人達。
長岡はポケットに入れていたデジカメを掲げ、青春を謳歌する生徒達を切り取った。
「チーズうめぇ。」
「三条あーん。」
「ははっ、やめろって。
それ焼き立てだろ。
熱いって。」
また1枚シャッターを切る。
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