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第1090話
「不良少年、コーヒー飲むか?」
「ありがとうございます。
でも、不良少年ってなんですか…」
「先週も泊まって、今日も泊まりだろ。
不良じゃねぇか。
優等生もやるな。」
悪戯気に笑う長岡はそう言いながらもとても嬉しそう。
恋人と年越しが出来るのだから、嬉しそうではなく確実に嬉しいだろう。
マグを手渡すと定位置に座る三条の隣に腰を下ろし、美味しそうにコーヒーを飲む。
「だから、俺は優等生じゃないです。」
「俺の自慢の生徒だけど?」
かぁっと顔を赤く染める三条に長岡は終始ご機嫌だ。
「…正宗さんだって、俺の自慢の先生です。」
「お愛想ばっか上手くなって。
自慢の恋人じゃねぇの?」
「自慢の恋人、です。」
「遥登も、俺の自慢の恋人ですよ。」
甘くなる空気に、三条はコーヒーを飲み込む。
一口、二口、ごくごくと喉が鳴る。
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