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第1119話

授業中、三条を一瞥するとさらさらの癖のない髪が顔を覆っていた。 配布したプリントを解いていて真剣な顔は見えないがもう立たれたら見る事の出来なくなった旋毛が見える。 なんでも今日はカレーの日らしい。 カレーに目玉焼きをのせるとこれでもかと喜ぶ恋人は知っているだろうか。 食べに来ないかと誘いたいところだが、生憎期末に向けてのテスト週間中だしやめておこうかと頭を悩ませる。 一緒に食うと自分が作ったカレーでも特別美味く思う。 生徒達の筆の運びと腕時計を確認し声をかけた。 「はい、手止めてください。 解答していきますよ。 今日は窓側からいきます。 大丈夫ですか。」 友人同士で答え合わせをしているので少しだけ待つ。 初っぱなから引っ掛け問題にしたから待つ位の優しさは必要だ。 その時、ふと視線を感じた。 そちらを見ると此方を見ていた生徒と目が合う。 が、すぐに反らされてしまう。 ははっ 可愛いな 今日のネクタイは誕生日プレゼントに貰った青いもの。 きっとその生徒はそれを見ていた。 そして、ネクタイピンも。

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