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第1137話
「三条くん、今日もモフ行くの?」
「うん。
よく知ってるね。」
「前モフで見掛けた時、楽しそうだなぁって思ってたから。
あの、もしお邪魔じゃなかったら私達もご一緒しても良いかな?」
「うん。
勿論。」
机の中を確認して下校の準備をしていると、知佳ちゃんと未知子ちゃんが声をかけてきた。
良いかな?と小首を傾げた知佳ちゃんの肩から、入学当時から伸ばしているらしい髪がさらさらと溢れる。
女の子のこういうところは素直に可愛いと思う。
そんな3人を少し離れた席から羨ましそうな顔で眺めている人物が1人。
そして、その隣で何時もの事だとスルーしている人物が1人。
「なぁ、俺と三条、どっちが話しかけやすい?」
「三条。」
「……」
「優登と接してるから話し方も雰囲気もやわらかいからだろ。
吉田はどっちかって言うと流行り系だし。」
「はぁぁ…。」
「ん?
吉田、呼ばれてる。
行くぞ。
ほら。」
深く溜め息を吐く吉田に向かって三条がおいでおいでと手を振った。
田上は吉田を引っ張り連れていく。
2人が近づくと三条は悪戯っ子の様な笑みを浮かべた。
「モフ行くの、知佳ちゃん達も一緒でも良いよな?」
「っ!?
も、もちろん!」
悄気ていた吉田は一気に元気になり、三条に感謝の眼差しを送る。
こっそりとそれに答え、笑いかけると吉田はこれでもか!と嬉しそうにしていた。
あぁ、やっぱりA組は良いな。
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