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第1199話
昼休みが終わっても賑やかな教室内に長岡がやって来た。
やっぱり生徒達がいた方が教室も2階も明るくて良い。
そりゃ雑務に時間を割けるのならそれに越したことはないが、学校は少し五月蝿い位が似合ってる。
ひとつ飛び出た頭も楽しそうにしているし、その顔を見れるのも嬉しい。
「D組から椅子を持って体育館に向かいます。
最後に軽く練習をしたら、第二体育館に移動して学年集会です。
待ってる間に、ロッカーの予備の鍵の返却するので呼ばれたら前に取りに来てください。」
入学して最初に預かった予備の 鍵を1人ひとり返却しつつ、簡単な近状報告を聞く。
受かった、鼻風邪をひいた、色々だがとりあえずみんな元気そうで良かった。
「三条、久し振り。
2月はなにしてた?」
「お久し振りです。
えっと…ですね、」
「ん?」
教師の顔をしてわざと細い指をなぞりながら鍵の入った封筒を手渡すと三条の口が課すかに動いた。
『恋人と、一緒でした。』
小さなその言葉は騒がしい教室内にすぐに溶けてしまったが、しっかりと耳に届いた。
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