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第1206話

日が照ってはいるが肌寒い廊下で最後の確認。 廊下に出ると声をかけるまでもなく名簿順に並んでくれた。 当たり前の事が当たり前に出来る様になってくれて嬉しい。 「カーディガン脱ぎましたね。 スマホは電源切ってください。 バイブも案外響きますよ。」 胸の花や、スマホ、貴重品の管理。 確認を兼ねて声をかけると大丈夫の声がちらほら上がる。 入学式は聞いても声なんて聞こえなかったのにな。 入学式が随分と前の事のように思える。 年々、時間の流れが早く感じる様になった。 俺も歳だな… そういや、最近水の弾きが悪いんだよな 遥登はめっちゃ弾いてんのに 「なぁ、三条。 なんか変なとこねぇ?」 「うん。 大丈夫。 イケめてる。」 「長岡より?」 「それはノーコメント。」 そりゃそうか。 高校生だしな。 面白い会話をする恋人は楽しそう青春を謳歌していた。

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