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第15話
「ええ、今はぐっすり眠っています。
申し訳ありません。
もっと早く気が付くべきでした。」
こういう時担任ってのは使えるもんだ。
三条は体調不良で送り道中寝てしまい道が分からず申し訳ないが自宅で休ませている、と三条の自宅に電話をかける。
良心が痛まない訳ではない。
保護者に嘘を吐く事も、この職業者としてしていけない事をしているという事も痛くてたまらない。
ただ、それよりも三条がこの手に堕ちる喜びの方が深く大きい。
「迷惑なんてとんでもないです。
はい、明日三条くんが起き次第ご自宅に送りますので…。」
ベッドを見るとぐっすり眠っているようだ。
そりゃあれだけ泣いてイけば疲れるか。
「はい、では明日お伺いします。
失礼致します。」
三条の母親が電話を切るのを待ってこちらも切った。
ご迷惑じゃ…なんて申し訳なさそうに言われたがそんな事はない。
可愛い三条の姿が見れるんだ。
チクリと胸が痛むが知らん顔をして寝室を出る。
どうやったら逃げないか、
逃げ道を塞げるか、
この手に堕ちるか考えだけで楽しくてしかたがないんだ
もう、後戻りは出来ない
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