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第16話

目が覚めると知らない天井が目に入った。 知らないベッド。 知らない部屋。 知らない服も着ている。 白いシンプルなシャツは少しサイズが大きい。 ただ、においだけは覚えがあった。 どこで嗅いだんだっけ… 何時… 駄目だ、思い出せない… ベッドから部屋を見渡すとベッド横に小さなチェスト、スタンドライト、それから備え付けのクローゼットとぎっしりと本の詰まった小さな本棚。 白と濃茶を基調としたシンプルな部屋。 家具は少ないのにやけに沢山の本が積んであるのが印象的。 このにおい… ぐるぐると頭の中をフル稼働させるがいまだ思い出せない。 とりあえずベッドから起き上がろうと床に足を付けると腰に鈍い痛みが走る。 脚に力が入らず、べちゃりと床に転がり落ちた。

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