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第26話
電車を乗り継ぎ、重い足取りで駅から学校迄の短い道のりを進む。
今日だけでもう何度目かもわからない溜息をまた吐いた。
「三条おはよう!」
「おはよう…」
道すがら、コンビニに向かう友達と擦れ違っては声をかけられる。
心配させたくはないと口角を上げるが、上手く笑えているだろうか。
なんであんな…、
いくら考えても頭の中がぐるぐるとするだけ。
長岡が何を考えているのかも、何をしたいのかも解らない。
まるで泥の中を歩いてるかの様にどんどん足は重くなる。
まだ腰が鈍く痛み、嬲られた尻は少しの違和感を残していた。
いや、違和感なんてないのかもしれない。
ただ意識してるだけなのかもしれないが、それさえもうわからない。
今日の体育憂鬱だ…
休もうかな
なんてぼんやりと考えながら学校へ向かう波に飲まれていく。
校舎まであと少し。
あと、少し。
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