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第30話

「よし、教室行くか。」 その声に続いて三条は教科準備室を出る。 冬を色を濃くした風が窓を叩いた。 窓の外は随分と風が強いらしい。 「あ、っと、ちょっとトイレ寄って良いか? 亀田先生に付き合ってコーヒー飲んでたらちょっとやばいな。」 「え、あ、待ってください…っ!」 頷くのを待つ事なく独り言ちて職員用トイレへと向かう長岡にトイレの前でこれ持っててなと教科書とノート、辞書にペンケースとチョークケースを持たされた。 どうしよう 先に教室行きたい… 先に行ってしまおうかどうしようかと背を向けてうろうろしていると肩を叩かれる。 振り返ると綺麗に口角を上げた長岡がいた。 「ありがとう、三条。 三条もトイレ行っておいで。」 くしゃりと頭を撫でられ持たされていた荷物とプリントを奪われ、代わりに小さな紙袋を持たされてトイレに押し込まれる。 意味が解らず首を振るも、抵抗虚しく終わった。 「え、俺、平気です…っ」 「賢い三条なら、解るよな。」 悪い夢なら早く醒めてくれ…

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