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第100話 *
大きな手のひらで脇腹を撫でまわされ、皮膚のどこもかしこもがおかしくなったように敏感になっていく。
コットンパンツの中で下肢が変化していくのがわかる。そのやるせなさに、理性も崩れた。
「上城さん……、ぁ……」
甘く重くなっていく腰のあたりを蠢かす。ねだるような声を抑えることができなくなった。
「その顔」
上城が陽向の表情を見あげてくる。
「……え」
「おまえのその蕩けたような顔が、すげー好き」
自分がどんな顔をしているのかなんて全然わからない。けれど、好きと言われて頬に熱が昇った。
上城が手をのばして、陽向のコットンパンツのベルトに手をかける。
ガチャガチャと音をたててバックルをまさぐった。はやる手つきに、身体は勝手に快感を予期して奮えだす。
もどかしそうにコットンパンツのまえをあけると陽向のものはもう、熱を持って上向いていた。上城がボクサーパンツの上から手探りで形を確認して、ゆっくりと絞るように撫でてくる。
「……あ、ぁ」
陽向の反応を見ながら、さらに濃厚に刺激してきた。下着の上からのゆるい感覚に、腰が揺れる。
「陽向」
唇をあわせながら、上城は陽向の下着を剥いてパンツとともにずりさげた。下肢が冷たい空気にさらされていくのが恥ずかしくて身を捩る。はいていたものを下ろしながら、上城はまた胸にキスしてきた。
小さくて赤い乳首はすぐに反応してつんと尖った。
「……ぁ、ゃ」
甘い刺激に、拒否もか弱くなってしまう。嫌と言いながら本気ではない。それがわかっていて相手も容赦なく吸いついてくる。
唇と舌にやわらかく引っ張られる感触は、怖気が立つほど気持ちよかった。
「あぁ、あ、ふ……」
上城の手つきは荒々しく野生的で、なのに手なれた優しさがある。なにも知らない陽向を包み込む力強さがあった。
感じすぎて泣きそうになりながら、陽向は上城の頭を抱え込んだ。
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