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第102話 *
最初に触れられたときの上城のぎこちない指先とアイスパックを思いだし、陽向はさらに昂奮し、ぐずぐずに蕩けていった。
なにがなんだかわからない嵐のような快感に翻弄されているうちに、いつの間にか上城が嚢をゆるゆると上下に擦り、その奥へと手を忍ばせてくる。
「あ」
ぴくりと背中が跳ねた。奥を辿る指が、深いところを探りあてる。
「あ、や」
未知の感触が襲いかかった。いや、と言っている間にけれど指は体内に潜り込んできた。
「陽向」
「あ、そ、そんな」
身を捩って、それ以上の侵入を避けようとしてしまう。本能的な恐れからだった。
上城は陽向の拒否もわかっているようで、右手で性器を掴むと、反り返った部分を横から食むように唇と舌で刺激し始めた。
快感に慄くペニスを舌先で舐めあげる。咥えて扱きながら吸い上げてくる。
衝撃的な気持ちよさだった。すぐに限界がきてしまう。
「ああ――ダメだ、も、もう、俺、もぅ……」
襲ってくる快楽の奔流にあっという間に飲みこまれた。上城が左手を抜き、手のひらで性器の先端を包み込む。
「あ、あ、ああっ……」
その瞬間、陽向は泣きながら、制御できなくなった熱を相手の手の中に放出した。
初めての体験に全身が強張り、頭が真っ白になる。
頂を越える長い数秒のあと、脱力してシーツに沈み込んだ。
「……こんな」
感じすぎて、眦から涙が一筋こぼれ出る。足の間にいる相手は、ゆっくりと後ろのやわな部分を陽向の精液で濡れた指で辿り始めた。
「……ぁ」
指先が、弱いところを刺激してくる。指が旋回され、粘膜がひらかれる音がした。
腰下にいた相手が上体を起こし、足を広げた正座に座りなおす。陽向の腰を持ちあげてその下に両膝を入れ込んできた。
陽向は仰向けで腰を相手に突きだすような体勢になり、下肢が相手に全てさらされる状態になってしまった。
「か、上城さ……、それ、は、恥ずかしい……」
まだきつく勃ちあがっている性器の奥で、ゆるく蠢く粘膜と、そこにさしこまれた指は、相手の目にどう映っているのか。考えただけで気を失いそうになる。
「エロ可愛いくて、めちゃくちゃ昂奮する」
上城が舌を見せて、自分の下唇を舐めた。
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