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第6話 おかしい
僕が目を覚ましたら、椿の姿がなかった。
「つばき……?椿!!どこ」
「もう、冬馬は相変わらず、お兄ちゃんが大好きなんだから」
母さんの声だった。
時計を見ると、十八時を過ぎていた。
「冬馬、手を離してごめん。母さんが帰ってきたから様子窺ってた」
……そうか、母さんも椿が僕の兄じゃないと見抜いてしまうかもしれないと僕も思った。
「椿がいてくれて安心したわ。面倒みのいいお兄ちゃんで良かったわ」
母さんはそう言うと一階に下りていった。
「良かった、母さんには受け入れてもらえてた。イレギュラーなのは冬馬だけか」
「つ、椿……良かった!!消えてなかった」
「数日は大丈夫だって」
「イレギュラーなんだよね?!それなら有り得ることだよ!!」
僕がベッドから出ようとしたら、椿が側に来てくれた。
そして顔を近付けてきた。
えっ?!
「わわわぁっつ椿、なにっっ?!」
「熱、下がったみたいだな」
なんだ……顔が近すぎると思ったら、おでこで熱を測っただけか。
一瞬、キスされるのかと思った僕は馬鹿みたいだ。
あれ?
なんで僕はこんな想いをしているんだろ。
「冬馬?どうかしたか」
「……なんでもない、なんでもないよ」
僕はおかしかった。
椿にドキドキするなんて。
人間と植物、男と男なのに。
……風邪を引いたせいかな?
僕は高鳴る胸を両手で押さえた。
なんで、僕の心臓は高鳴るのかな。
こんなにドキドキが速いんだろう。
この続きは同人誌にてよろしくお願いいたします。
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