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エントリーNo.14 Emotional
「実家には帰らないんだ」
彼は言い、僕は勇んだ。恋仲になって未だ寮の死角で唇を啄む程度だった。
「イケナイ事を考えてるの?」
覗き込んだ彼の瞳に潜む色を、僕は目溢したりしない。「勿論」と返せば彼は悪戯に嗤う。
賛美歌が遠く聴こえる。
背徳的な夜を迎えるために僕らは、迷う事無く掌を重ねた。
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<作家名>
春巻たまき
<主な作品>
「DO YOU LIKE…?」(エブリスタ)
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