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第7話
もっと驚かせ、困らせたくなった私は自らの顔を隠していたフードを取り、しまっていた黒の羽を拡げた。
「魔王に助けられた勇者など、恥でしかないだろう」
ニヤリと微笑んでみせる。
きっと青ざめて絶望するだろう。
さあ、その顔を見せてくれ。
「ま……魔王っ……!?」
驚いた声を上げる勇者は私の予想とは違う表情を見せた。
顔中、いや、身体中を真っ赤にさせて絶望どころかモジモジとし始めた。
なんだこの反応は。
「魔王に……きっ……キスっ……」
「もっと嫌がらないともう一度するぞ」
この反応も面白いが、意味が分からない。
嫌がって、絶望して、打ちひしがれる姿が見たいのに。
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