9 / 16
第9話
「……お主、勇者のくせに魔王の私が好きなのか?」
まさかとは思うが、そんな事有り得ないだろう。
私は勇者の、人間の敵なのだから。
「悪いか!!」
「悪いだろ」
誰がそんなもの歓迎する?
誰が得する?
「仕方ないだろ!? 初めてあんたを見た時……あまりに綺麗で一目惚れしたんだから!!」
一目惚れ……?
勇者が? 私に?
「オレだって戸惑ってるんだ! あんたはオレより強いのに全然殺そうとしないし、それどころか手のひらで転がされてる! でもっ……会いたくてまたあんたの城に行ってしまうっ……!!」
ともだちにシェアしよう!