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第16話
「私は……」
もし勇者が人間達に責められるような事があれば、喜んでその剣を受けよう。
それが私が出来る、勇者の守り方だ。
「行こう、一緒に」
これが新しい勇者と魔王の第一歩だ。
大丈夫だと勇者が言うのだから、きっと。
新しい何かを見つけられるかもしれない。
「世界を見せてくれ」
誰も見た事のない、勇者と魔王の世界を。
「もちろん!」
勇者の手から熱が伝わる。
ワクワクする気持ちが流れてくる。
今まで感じたことのない感情に戸惑いながら、それでももっと知りたいと願う。
二人ならばきっと見れる。
だから、その手を取って行こう。
倒すのではなく、倒される訳でもなく。
守り、守られながら。
大丈夫だと、勇者が言うから。
*新しい冒険へと続く*
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