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第15話
「きっと楽しい。沢山色んな所に行こう」
手を握られ、ワクワクしているのが直接伝わってくる。
勇者は本当に私と共に旅をしたがっているのだ。
素直で可愛い勇者。
だけど、私が魔王だとバレない保証がないとは言いきれない。
一緒にいる事で勇者が魔王の手に堕ちたと誤解されたら……。
守りきれるのだろうか、この純真無垢な勇者を。
「大丈夫だよ、魔王」
「……何が、だ?」
「もし魔王だとバレても、オレが守るから」
「……勇者が……魔王を、守る……?」
思わず笑いが込み上げてきた。
倒すなら解るが、守るとは。
全く逆ではないか。
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