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第14話
「これから……どうする?」
「お主はどうしたい? 私はお主の望むようにしたい」
この馬鹿な勇者の望みなら何でも叶えてやりたい。
私の持てる力の全てを使って。
「あんたは、旅をしたことがあるか? オレはここに辿り着くまでに色んな所を旅した。変わった食べ物や、美味い酒や、そこでしか見れない景色。沢山見てきた」
キラキラと目を輝かせ語る勇者の髪を撫で梳き、額に口付ける。
「あんたはそういうの興味ないか? あ、もしかしてもうそういうのは知り尽くした?」
「いいや。私はあまり城から出るのは好きでは無かったから世界がどんなものかはよく知らぬ。人間のことも」
「そっか。ならさ、オレと、旅をしないか? 見せたい物が沢山あるんだ」
嬉しそうに笑う勇者。
それもいいかもしれない。
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