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第1話 魔法学校入学(1)
真っ青な空の下、僕はまだ着慣れない制服に違和感を覚えながら、古い家の玄関に佇む。
振り向くと、おじいちゃんとおばあちゃんが、心配そうな顔で立っていた。
そんな二人に見送られながら、僕は魔法学校へ出発する。
僕は、今のおじいちゃんとおばあちゃんのところにくるまでは、養護施設で育てられた。小さい頃にすでに預けられていて、両親の顔も知らなかった。
そんな僕を、おじいちゃんとおばあちゃんが迎えに来てくれたのは、僕が小学校にあがる頃のことだった。
「そうか。『ノア』というのか、そうか、そうか……ようやく見つけた……」
おじいちゃんが、目にいっぱいの涙で僕を見つめて泣き笑いの顔をしてたのを、今でも覚えている。
おばあちゃんは、何も言わないでハンカチでずっと口元を隠しながら泣いていた。
僕には、二人が本当のおじいちゃんとおばあちゃんなのかはわからなかったけど、あの養護施設にいるよりは、ましだって思った。
引き取られてからの生活は、すごくすごく幸せだった。
僕は十二歳になるまで、普通に小学生やってたし、普通の小学生だって思ってた。
だからそのまま、地元の中学にあがるもんだって思ってた。
なのにいきなり、『なんちゃら魔法学校』というところからの手紙が届いて、僕の入学を許可します、だって。
正直、『へ?』と思った。
「ノア、お前はおじいちゃんとおばあちゃんの孫だ。だから、大丈夫。お前ならできるさ」
おじいちゃんは、そう言うけれど、今までに、そんな魔法なんてものを使ったことなんかない。見たことだってない。
そもそも、僕に、そんな能力があるとも思えない。それなのに、なんで、そんなところに行かなくちゃいけないんだ?
近所の子たちに魔法について聞いても、バカにされただけだった。
本当に、魔法なんてものがあるんだろうか。
「じゃあ……行ってきます」
目の前が涙で霞んできたのを、僕はごしごしと制服の袖で拭いた。
僕は、魔法の存在を信じられない状態で、魔法学校に向かって旅立った。
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