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第3話

 腕の中に猫山がいて、俺は上手く寝付けなかった。  猫山はすーすーと寝息を立てて寝ている。時おりぴくぴくと動く猫耳が、それらしさを増していた。  なんでこんなことになっているのか、その経緯には全て目をつぶって。  俺は暇を持てあまし、猫山を起こさないように、猫山の猫耳に触れてみた。  ふあふあの、指にくっつくような柔らかい毛が猫そのもの。生え際も完全に皮膚からくっついていて、紛れもない本物のようだ。  でも実際そんなことってあり得ないだろう。遺伝子操作とかキメラとか、そんなのはSFやファンタジーの世界の話だ。  そういえば尻尾も生えていたのだ。  俺は手を伸ばし、猫山の尻尾に触れてみる。  細く伸びた尻尾の毛並みは、耳同様に猫っ毛で、触り心地がいい。伝って降りていくと、尻尾はズボンの中にまで続いていた。  さすがに、この中に手を入れるのはない。  いやでも、皮膚と繋がっているところに触れてみたい。  強い好奇心が俺の背中を押す。  ちょっとだけなら、構わないよな。俺の右手は尻尾を伝い、ズボンの、パンツの中へ。  いわゆる尾てい骨のあたりに尻尾が生えていた。生え際を確かめるように、指でなぞる。  尻尾のあたりを中心に、薄く毛が生えているようだった。 「んっ」  小さな声に体が硬直する。  起きてしまったか?少し触りすぎてしまっただろうか。いや、当たり前か。  尻尾に夢中になっていたが、俺の手は、猫山のかなり際どいところに触れていた。  俺は爆発寸前の鼓動を落ち着かせながら、ゆっくり手を引き抜く。と。 「!」  ズボンから出た俺の手首が、猫山の手にしっかりと握られる。  猫山の意外と強い握力にもだったが、起きていてばれてしまったのかと言う驚きで動けなかった。  しかし猫山の手は意外な動きを見せる。  俺の手を伝い、猫山の手もパンツの中へ。そして俺の手を、ゆっくりと導く。穴と、玉のある方へ。 「お、起きてるのか?」  猫山の手が、俺の指の股越しに、猫山のアナルをいじりだした。誘うような動きに俺は困惑する。 「猫山……!」  俺の言葉には答えず、猫山は体をぐっと押し寄せてきた。太ももに当たる熱。そして俺を見つめる、目。  ごくり。  俺の喉が鳴った。

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