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第1話

 目を背けたくなる醜悪な傷痕。  鏡に映った己の腹を見て、私はその場に崩れた。 「…ック」  震える肩に爪を立て、必死に落ち着けと言い聞かせるが、後から後から感情が込み上げ、押さえが利かない。  ――ああ。  ――これであの真面目で責任感の強い騎士を私のものにできる。  そう思うと……。 「あははっ……ふふっ…」  喜びから、笑いを止められなかった。

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