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第2話

 マーカルナ国は資源豊かな大国だ。  それ故に魔物の出没も多く、二十四ある騎士団が交代で魔物討伐へ赴いていた。  一週間前。  私が所属する第十三騎士団は魔物討伐のため東の森へ向かったが、運悪く竜の親子と遭遇してしまった。  守り神である竜と遭遇した場合、速やかに撤退するべし。  その暗黙のルールに従い騎士団は防護壁の術式を展開しつつ竜を刺激しないようにそっと離れようとしたが、子供を連れていた事で気が高ぶっていたのか、竜は我々を攻撃し始めた。  殿(しんがり)を勤めていた私率いる第四師団は吹き飛ばされ、散り散りとなり、私の救護に駆けつけたのは団で一番の剣の使い手、ダルクだった。  攻撃特化型のダルクは治癒術式は不得手だったが、腹から内臓を覗かせた瀕死状態の私を見て誰かが駆けつけてくるのを待っていられなかったのだろう。  自身の傷を後回しにして、血と汗を流しながら必死に治癒術式を施してくれた。  その甲斐あって私の一命は取り留められたが……。  代わりに腹にはおぞましい傷痕が残った。

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