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第75話

「クソッ!!」 浬はヴァイドと共に消えた 再び助ける事が出来なかった八尋は壁を叩いた そして敷地の外で待機していた帳が異変を感じ 八尋の元へ駆けつけた 「八尋何があった」 八尋は今あった事を帳に話した 「そうか………」 「助けに来たのにまた助ける事が出来なかった 今度こそ助ける」 そして何とか浬を終えないかと気配を探り外へと帳の話も聞かずに飛び出していった 「八尋!!………全く………」 そして帳は目の前に倒れているルシェルに目をやった まさかあのルシェルがこうも簡単にやられてしまうとは思わず彼を倒した者に冷や汗を感じた そして傍に寄り息があることを確かめる しかし傷は深く今帳が出来ることなど無かった どうしようかと考えているとある人物が 目の前に現れた 「随分と面倒なことになったね」 「貴方は………」 「久しぶりだね帳」 帳の前に現れたのは藜だった 何故彼がここにいるのか疑問の帳だが 突然現れた彼に驚いて言葉がでない 藜はルシェルの方に行きしゃがんだ そして自らの腕を噛み血を口に含みルシェルへ口移しで飲ませた 「まぁこれで多少はマシになるだろう さて、帳 お前は飛び出していった彼を追いなさい 勝手に突っ走ってしまうよ」 「………あ、ああ……」 帳は飛び出していった八尋を追いかけていった 藜は倒れたままのルシェルを抱き抱え別の部屋へ移動しベッドへ寝かせた 「浬を助けろと言ったお前がこうなってどうする」 一方帳は八尋を追って来た そして八尋を見つけ肩に手を置く 「八尋一旦戻るぞ」 「…………」 「何処にいるかも分からないのにどうするつもりだ?」 「………どうすればいいんだろうな」 折角ここに来てまた連れ去られた 何もできない自分に腹が立った だが吸血鬼は強い 自分の力なんて遠く及ばない 悔しかった……… 憎い吸血鬼の前でいいようにされるのが そして改めて思った 吸血鬼に復讐すると 浬を連れ戻し人に害を成す吸血鬼を屠ると

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