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第74話

睨み付ける浬にヴァイドはイラついていた こんな死ぬかもしれないと言うような場面で真っ直ぐ見つめるのだ この目がヴァイドには堪らなく嫌だった しかしこのまま殺してしまえば自分が負けたようでそれが出来なかった そして何を思ったのかヴァイドはこんなことを言い出した 「私の傍にいろ お前は私のものだ」 「……なに…を……」 自分でもどうしてそんなことを言うのかヴァイドは分からなかった しかしそんなことを言ってしまえば後には引けない 「嫌だって言ったら?」 「そこの窓の外にいる人間を殺す」 「……っ!!」 ヴァイドの言葉に浬も八尋も心臓が跳ねた 気配を消して隠れて様子を見ていた八尋だがまさか 気づかれているとは思わなかった 「ダメ!!お願い彼は…… 彼だけは止めて………」 「ならば私の元へ来るか?」 「……っ はい………」 諦めたような顔をして頷く浬 ルシェルも瀕死の状態でアンディもいない 恐らくヴァイドに動けなくされたのだろうと浬は思う そんな化け物のような彼に勝ち目はないと せめて八尋のことは助けたいと浬は決断した 「ふざけんな なんでそうなるんだよ!!」 すると隠れていた八尋が出てきた ここで出てきた八尋に浬は焦った 出てこないでと、やり過ごせるはずだったのにと そんな思いでいっぱいだった 「八尋……なんで…… なんで出てきて」 「馬鹿か!! なんで一人犠牲になろうとしてんだ ふざけんな」 「だって八尋が傷つく所を見たくない」 「俺がそんな簡単に殺られるとでも思ってんのか?」 「そりゃ思うよ!!」 「………」 そんなやり取りの中浬はヴァイドに八尋を助けてくれるなら傍にいると頑として譲らず ヴァイドも承諾した 「いいだろう」 「おい待て!!」 「お前がそれで良いのならお前は私のものだ」 「おい待てっつって―――」 八尋は二人のところに駆け寄るが ヴァイドは浬を引き寄せ突然突風が吹いたと思ったら二人は消え 蝙蝠が舞い外へと消えていった

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