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第77話
ヴァイドに連れていかれた浬
連れていかれた先はヴァイドしかしらない別荘だ
しかも山奥にあるため誰も中々辿り着けない場所にある
そして浬をここに軟禁しているのだが
特に何をするわけでもなくただ一緒にいるだけだ
そして周辺の家事や世話などは
二人の蝙蝠がやっている
蝙蝠といっても擬人化をしたような感じの12歳くらいの男の子の双子だ
「ねぇ、俺を連れてきて何がしたいの?」
「何がしたい、か……
何かしてほしいのか?」
「……それは嫌だ」
何かをされるのは困る
あまり変なことを言わないほうがいいか
しかし何もしないのは逆に怖くもある
どうしたいのかさっぱり分からない
「何故こうもイライラするのか」
「え?」
「お前を見ているとイライラする
なのに何故かお前が気になる
何故だ?」
「そう聞かれても………」
そんなことを聞かれても分かるはずがない
逆に聞きたいくらいだ
何故そう思うのか
「お前は…恐ろしくはないのか」
「……怖いと思う
力ずくでなんでも手にいれるような貴方は恐ろしい」
「そうか………」
そして沈黙が流れる
ヴァイドとは何を話して言いかも分からない
正直ルシェルといる方がずっと楽だ
そう言えばルシェルはどうなったのだろうか?
無事だといいのだけど……
浬の心配や不安は強まる
このままここにいるのは辛い……
早くここから抜け出さないと……
「やはり止めた」
「え?」
次の瞬間
ヴァイドはその場に浬を押し倒した
そしてそっと手で頬に触れた
「優しくしてやろうかと思っていたが止めた」
「何を……?」
「気になるのなら確かめればいい
こうやってな」
するとヴァイドは浬の唇へキスをした
「ん、!!……はぁ……んん……」
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