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第8話

 それから2日後、ガブリエル様の意識は再び闇の中へ落ちていった。 2日、3日、4日と経ち、そうして、二度と戻ることはなく、7日目に彼の心臓は動くのを止めた。 「ガヴィっ…、ああ、私のガヴィ、どうしてこんな…っっ」 「ひっく、パパぁ…っパパ!」 「ガブリエル様…こんなに早く…」  奥方やご子息だけでなく、召使いなど屋敷中が悲しみにくれた。優しく、公平で、聡明な村の王は、誰からも愛されていたからだ。 いつもは陽が当たり明るい屋敷が、まるで太陽の隠れた雨の日のように、じめじめと湿って暗い雰囲気を漂わせていた。 皆が涙を流していたが、ただ一人、私は涙を流さなかった。  執事長という責任のある立場として涙を流すのをこらえているのだと、周りの者はそう理解した。なぜなら、屋敷の中で一番、私がガブリエル様と共に過ごしてきたのだから。そして、私の心情を心配したり、立派だと言ったりしていた。 しかし、私の胸中には、もっと複雑なものがあった。

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