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第1話前編「ヤクザ店長」

灰色の髪に、咥え煙草。腕まくりした部分からのぞく刺青。アスリートかと見紛う程の鍛え抜かれた体躯。レジ裏に置かれた椅子に腰掛け、成人向け雑誌を読み耽るその男は、パッと見完全にヤクザだった。いや俺が知らないだけでモノホンのヤクザかもしれない。 「おい、コンビニ店長がヤクザって。客寄りつかなくなるんじゃねーの」 ツナマヨおにぎりにタラコマヨおにぎり、ノンシュガーヨーグルト、ミルクたっぷりミルクティー。それらの商品をレジに置くとヤクザ店長が顔をあげた。 「お前こそ、その牛乳尽くしよく飽きないな。乳離れができてないのか?」 「24の男が乳離れできてないとか恐怖以外の何物でもねえだろ」 「確かに」 ヤクザ男は煙草を咥えたまま口元だけで笑う。 ーーぴろりろりん♪ 来店の音楽が鳴る。一瞬、ヤクザ店長の視線が入口に向けられた。それからまたすぐ視線が戻ってくる。 「都会はコンビニ戦国だからな。客は元々少ない」 「マジで大丈夫かよ・・来週潰れますとか言われたらわりと」 ショックなんだけど、と言いかけて口を噤む。これだけ悪態をついておいてあれだが、このコンビニが潰れるのは困る。会社から近いし、色々便利だし、…。 「…」 黙っているとヤクザ店長はニヤリと笑った。 「なんだ、ママと離れるのは寂しいか」 「っっ・・・!こんなごつい母親がいるかっ」 「安心しろ。数は少なくてもママには太客がついてる」 「太客?」 冗談抜きでここのコンビニは廃れている。駅から近くもなく、店長がヤクザのせいで普通の客も寄り付かない。そんなコンビニに太客だって?強がりはよせよと言いかけたところで 「どけ」 背後から突然命令(やけに威圧的)された。なんだよ・・と思いながら振り返ったがそいつの容姿を見て文句は引っ込む。天井に頭をこすり付けそうな程の高身長に、太い腕。いかつい顔にはサングラスが装着されており表情が読めない。 (でかすぎだろ・・レスラーかよ) 天井男のかごには大量のおにぎりと弁当が詰め込まれていた。でかい体を維持するためにはそれだけエネルギーが必要ということだろうか。 「8930円な」 20個以上ある大量の弁当たちを手馴れた手つきで袋に入れていくヤクザ店長。その顔に特に驚いた様子はない。 (まさかこんな爆買いが日常茶飯事だってのか?) 内心驚いていると「な?」とヤクザ店長が視線を送ってくる。これが奴のいう太客という事なのだろう。確かにこんなのが何人か(毎日来てくれるとして)いれば客数自体は少なくても利益はあがるかもしれない。FCとかそこらへんの問題はどうなってるんだろうとか考えてみたが、このヤクザ店長を前にして文句を言える猛者はいないのだろう。 「っと、そうだった」 腕時計を見て時間を確認する。そろそろ戻らないと会社で食べる時間がなくなってしまう。慌ててコンビニを飛び出した。 星野 想真(ホシノ ソウマ) 1月18日生まれ。 身長は172cm、体重60kg、好きなものはマヨネーズ。 子供の頃体が弱かった以外は至って普通。体に関しても空気の綺麗な田舎暮らしを続けたおかげで、今では健康体となった。そんな平凡な俺に転機が訪れたのは今から2年ほど前、都内の中小企業の新卒採用をもらい引っ越してきた頃だ。意気揚々と引越してきたのはいいが、すぐに都会の洗礼を受ける事になる。 「どこだここ…」 悪意を感じるほど入り組んだ道。似たような標識や店が多い表通り。話しかけるなオーラ全開の歩行者たち。そんな冷たい世界でスマホ片手にさ迷うこと三時間。俺は早くも挫けそうになっていた。 「今日中に荷造りしなきゃいけねえのに」 せっかくの土日だからとぶらぶら街を歩いたのがいけなかった。コンクリートジャングルは一度迷い混むと魔境に変貌するらしい。 ブロロロロ エンジン音が背後から聞こえてくる。狭い路地なのでぶつからぬようなるべく端に移動した。 「んっと、これがあれで、あのビルがこれで」 避けつつスマホの画面でマップ検索を行い、実際の建物と見比べてみる。やはりわからない。 どんっ ふと肩に衝撃が来る。何事かと思ったときにはすでに遅く ブロロロロ 去っていくバイク野郎の腕には見たことのある財布が握られていた。 「!!!…お、俺の財布!!」 我に返り、バイクを追いかけようと走り出す。だが、 ザッバアアアア!! バケツをひっくり返したような豪雨に襲われた。 「はああ???」 これが噂のゲリラ豪雨か。財布をとり返そうにも、あまりの雨の強さに一歩先の景色すら見えない。 「くそっ!!」 まさに泣きっ面に蜂。さっきは都会の洗礼といったが、ただ単にその日の俺が不運だったのかもしれない。だが俺を絶望に突き落とすには充分な状況で。 (はあ、帰りたい・・) 今後の都会暮らしを憂い、雨で全身びっしょりに濡れながら、項垂れる。 「ほら」 ふと、雨が止んだ。いや、雨音は依然と続いている。肌に打ち付ける雫がなくなっただけ。おずおずと顔を上げる。 「108円な」 灰色の髪に咥え煙草、タンクトップからはみ出す腕から肩にかけての刺青。そんなヤクザのような外見の男が傘を開いて差し出してくる。 「え、っと・・」 「この路地を抜けた先のコンビニで店長をしてる」 そこまで言うと男はさっさと去ってしまう。 「え・・?」 意味がわからず、傘を握りしめながら立ち呆けること数秒。 「ふぇっきし!!」 肌寒さに負けてコンビニへと向かった。 これがヤクザ店長との出会い。この後、店長のコンビニでは色々とお世話になり、しかも会社からわりと近くにあると知った俺は、ほぼ毎日通い詰めるようになった。 「おっ今週はパスタ週か」 セール中という言葉に後押しされお気に入りである特製カルボナーラに手を伸ばす。ここのカルボナーラはコンビニのできにしておくにはもったいない逸品だ。 「おい」 すると、暇そうにしていたヤクザ店長がタバコ片手に近寄ってきた。 「なんだよヤクザ店長」 「大神と呼べ、追い出すぞ」 追い出すと真顔で凄まれそのあまりの迫力に息が止まる。だからその顔怖いんだって。やっぱヤクザだろお前。 「で、・・なに」 「乳製品ばっかじゃ体壊すぞ」 「なっ」 (そんだけ脅しといて普通・・・) 「や、野菜はなんかぱさぱさするんだよ。あと食った感じがしない」 「はっ好き嫌いか」 店長は俺の言葉を鼻で笑い、安売りされていた野菜セットに手を伸ばす。 「ほら」 「いらないって」 「100円でいいぞ」 「俺知ってるんだぞ。ここにあるやつは賞味期限が近いやつだろ?客に廃棄品を押し付けようとすんな」 「午前中に食べればセーフだ」 そういって店長はレジの方に戻っていってしまう。俺は数秒悩んだ後、野菜セットを冷蔵ブースの元の位置に戻した。それからいくつかの商品を持ってレジに向かう。 「なんだ、野菜セットは返したのか。可愛くない奴だ」 「うっせえ」 どんっ レジに商品を並べて置く。すると、それを見たヤクザ店長の目が見開かれた。 「これは」 「野菜ジュースにカットフルーツ、カロリーメイト、あとバナナ。これで文句はないだろ」 「・・・全然偏ってるが」 店長の冷静なツッコミに顔をしかめる。言う通りすぎて何も言い返せない。 「まあカルボナーラ単品よりはいいか」 ふっと力の抜けた笑みを零す。いつものヤクザ顔が嘘みたいな柔らかい表情に思考がフリーズした。 (・・、こんな顔できるんだ) こうしていれば普通にイケメンだ。ちょい悪系は脱せないが社内の女子がここにいれば目にハートを浮かべてアタックしている事だろう。 ぴろりろりん♪ 入店音がなる。そこで我に帰った俺は買い物袋を手に出入り口の方に向かった。入ってきた客と入れ違いに外に出る。 じいっ ふと、客の視線がこちらに向けられた。すれ違い様に知り合いではないと判断していた俺は、視線を無視してコンビニを後にするのだった。 「想真!これから飲み行かねえ?」 画面に食いついていた上半身を倒し、大きく伸びをした。後ろにいる同期(男)と目が合う。 「飲みかー」 「せっかくの金曜日だしっはっちゃけようぜえい」 「んー」 確かに魅力的な誘いだ。社会人にとって金曜日は土日を控えた前夜祭。楽しまないわけがない。だが今週は残業続きで疲れていたのもあり、 「悪い。今日は帰るわ」 「ええ~~いや、まあそういう日もあるわな。また誘うわ!」 「ありがとな」 他の同期をつれて去っていく同期に手を振ってから、机に寝そべる。ひんやりと心地いい。 「はあ・・このまま寝れそ」 昼間は感じなかった疲れに襲われそのまま目を瞑る。 カリカリ 何かを引っ掻くような音がする。細いものでガラスを引っ掻くような。 (これは、爪の音・・・?) 沈んでいた意識が少しずつ覚醒してくる。その間も引っ掻き音は止まない。 カリカリカリ 「・・んだよ・・うるせえな」 目を擦りながら机から顔を上げる。辺りを見回し誰もいないことに気付く。時計を見れば22時を過ぎていた。 「やっべえ!!寝ちまってた!!」 急いで立ち上がり、鞄に必要なものを突っ込んでいく。そこでふと気付いた。 カリカリ 誰もいないオフィスに、何故引っ掻き音が鳴り続けているのか・・・と。 ごくり 恐る恐る音がする方、窓際に視線を移した。 「っ!!」 そこには、猫の影があった。腹回りがでかく、尻尾が二つに分かれている猫の影。 (尻尾がわかれっ・・・!?) おかしい点は他にもある。影がとてつもなくでかいのだ。普段見かける猫の十倍はある。あれじゃまるで虎だ。 「なんっ・・・なんだよ・・・」 影なんていくらでも大きさの調整ができる。そんな事百も承知だ。だが、だが、猫の金色の目が・・・握り拳よりもでかいのは絶対おかしい。大きすぎる金の瞳が一瞬のぶれもなく俺に注がれているのを見てゾクリと鳥肌が立った。 (やばい) 逃げなくてはと本能が叫ぶ。しかし、蛇に睨まれた蛙のように体が固まってしまって動かない。 (だ、誰か・・) 深夜のオフィスに助けが来るわけもない。わかっている。わかっていたが願わずにはいられない。 カリ・・ 猫は窓を引っ掻くのをやめ、俺と目を合わせたままパチリと瞬きをする。それから、大きすぎる口を開けてにやりと笑った。家庭用包丁ほどの大きさの犬歯が光る。 「っひい・・!!」 バキューン♪ 「うわああ!!?」 突然の電子音に飛びあがった。音は手元のスマホから流れていた。 「あ」 動転して何の音か忘れていたが、これは俺のスマホの着信音だ。 「はあ、はあ・・」 スマホを握り締め、息を整える。心臓は破裂しそうなほどうるさいがおかげで金縛りが解けた。床に落ちていた鞄を拾い、部屋を飛び出す。 たたたたっ 階段で一階まで行き、非常口から外へ。大通りに出たが誰もいない。それもそうだ。ここら一帯はオフィス街で娯楽もない。こんな夜まで居座っていた所で何の得もしない。 「・・・にしても、誰もいないのは変じゃねえか・・?」 昼間は車も人も多く行き交っているこの大通りだが、今では人っ子一人いない。仕事終わりのリーマンすら見かけないことに違和感を感じる。不気味に思いつつ、周囲を確認してから大通りを渡った。 「一体あの影はなんだったんだ?」 呟きながら後ろを確認する。誰かの気配を感じた気がするが誰もいない。ホッと胸を撫で下ろした。 「よう、お兄さん」 「!!」 がばっと勢いよく振り返れば、20歳前後の柄の悪そうな青年達が立っていた。この辺りにある大学や専門校の生徒だろうか。皆フードや帽子をかぶっており表情が読めない。 「に、人間かよ・・・びびらせんな・・・」 「はは、何言ってんだアンタ」 俺が安心したのを見て、青年たちはぎゃははと下品に笑った。 ぐいっ 目の前にいた青年が胸倉を掴んでくる。 「なっ、おい!」 離させようと手首を掴むが、岩のように動かなかった。鞄で殴ってやろうと左手をあげれば右側にいた青年に阻まれる。 (くそっ身動きが取れない) これが噂のオヤジ狩りか。いや俺全然オヤジじゃないけど。 「離せ!!お前らが思ってるような大金なんてもってねえよ!!」 「オレらが欲しいのは金じゃない」 青年はにやっと笑って顔を近づけてくる。鼻の頭が擦れるかという位置までこられ、無意識に息を止めてしまう。ドン引きしてる俺に対し、青年は楽しそうに匂いを嗅ぎ始めた。 「な、なにしてっ」 「アンタ匂いがするんだよ」 え、俺臭かった?と焦ってみたがすぐに我に返る。汗臭いとか、そういう話ではないのは青年の表情でなんとなく察する。 「これは狼の匂いだ」 「おおかみ・・?」 「隠しても無駄だ。人間の世界に隠れていると聞いていたが、まさかこんな所にいたとはな」 青年はすうっと大きく匂いを嗅いでから、口を開く。 「もう逃がさない」 フードの下の金色の瞳と目が合う。鋭く尖った犬歯。にやりと不気味に笑う口元。 「!!!」 何故か、オフィスの中で見た猫の影と重なった。 (どうして・・) 戸惑っている内にも、青年は人間ではありえないほど大きく口を開け グワッ 襲いかかってきた。あまりに大きく開けすぎて口の端が裂けてしまっている。 (ば、化け物っ?!) せめてもの抵抗にと体を後ろに倒すが、鋭い牙は俺の首のすぐそこまで迫っていた。 (だめだっ食い千切られるっ!) フギャアッ!!! 途端、情けない鳴き声が通りに響いた。猫が尻尾を踏まれた時のような、驚きと痛みの混じった鳴き声だ。 「え・・?」 悲鳴のあがった方を見る。そこには一人の男が立っていた。足元には青年の取り巻きの一人が倒れている。 「随分と楽しそうだな、猫共」 聞き覚えのある声。月明かりに照らされた体に浮かぶ、大きな刺青。ヤクザかと思うほど悪い人相は・・・紛れもない 「ヤクザ店長?!」 「大神だっつってんだろ」 不機嫌に返される。やっぱりそうだ。店長だ。こんなに態度の悪いコンビニ店長は俺の知る限り一人しかない。 「なんでヤクザ店長がここにっ」 「耳はいい方なんだよ」 「耳・・・?」 意味がわからず首を傾げていると、俺の胸倉を掴んでいた青年が唸り声を上げた。 「アンタ・・その匂い、どういうことだ?」 「簡単な話だ。そいつはただの人間。ちょっぴり臭いだけの、な」 「臭いだと?!!」 俺の叫びなど二人には聞こえていないのか、両者とも睨みあったまま指一本動かさない。 「こいつが人間だって?じゃあ何故これほど濃く狼の匂いがする?!」 「さてね。それよりも鼻の効かない子猫ちゃんは一度耳鼻科にいって治療してもらった方がいいぞ」 「っ・・・」 ヤクザ店長の余裕の態度に、青年は額に血管を浮かばせている。しかし噛み付くことはせず、周囲の取り巻きに視線を送り指示を送った。 ぞろぞろ 周りを取り巻きが囲まれ、あっという間に逃げ道がなくなる。店長は一人、相手は八人。店長の体格的に数人はなんとかなるかもしれないが、多対一なのに変わりはない。絶対不利だ。思わず俺は叫んでいた。 「店長・・・!」 「お前はそこにいろ」 店長はこちらを見ずに淡々と言った。目の前の危機に対して全く動揺していない。イラついた青年が叫ぶように指示する。 「アンタの余裕、いつまで続くかな?・・・やれ!!」 合図と共に取り巻きたちが店長に襲い掛かる。 ドカッ、ゴッ、ガッ 鈍い音が通りに響く。店長は取り巻きたちの蹴りと拳をあび、見る間もなく血だらけになる。 「店長!!」 助けに行こうとしたが横にいた青年に腕を掴まれた。あまりに強い力で、爪が食い込んでくる。 「っつ・・・はなせ!」 「アンタはつまみとして持っていく」 「はあ?!」 (俺をつまみってどういうことだ??バラバラにして内臓売るとかそういうこと??) 青年はそれ以上なのもいわず店長の方に視線を移した。ボロボロになっていく店長を見てにやりと愉快そうに笑みが浮かべる。 「姐さんはアンタの生死は問わなかったからな。死体になったアンタを運ばせてもらうよ。精々いいサンドバックになってくれ」 あははははっと青年の高笑いが響く。 ゴッ、ボコッ、ドガッ・・ 「そろそろか」 一分ほどして青年が取り巻きたちを止めさせた。殴り続けて息のあがっている取り巻きをどかせ、青年自ら店長の死体を確認しようと近づく。 「さて、どれだけミンチになってるかな」 倒れている店長の様子を見ようと膝をつく、その瞬間。 ドフッ 青年の体が空を飛んだ。 「へ?」 まるでクッションか抱き枕のように軽々と浮き上がる青年の体。それは弧を描いて30mほど先の通りの向こう側に落下した。 「・・・」 青年はピクリとも動かない。どうやら気絶したようだ。 「ミカさん!!!」 取り巻きたちが慌てて駆け寄っていく。俺は、取り巻きに担がれて去っていく青年を見つめながら呆然とした。さっきから非日常の連続で頭の処理が追いついていない。 「ど、どういう事、だ・・?」 「殴られて倒れたって事だろう」 「うわあっ?!」 腕を組んで、まるで他人事のように話している店長の姿に飛びあがって驚いた。体中血だらけだが、表情は先ほどと変わっていない。言ってしまえば、コンビニで話しているときと全く同じテンションだ。 「お、おまっ・・、体は」 「丈夫にできてるからな。この血も奴らの拳が擦りむいた際の血だ。俺のじゃない」 「えええッ驚かせんなよ・・!」 死んだかと思って滅茶苦茶焦ったんだぞ。 「て、てかさ、俺お前に色々と聞きたい事があるんだけど」 「・・・やばい」 「え?」 突如、店長が深刻な顔で呟いた。あれだけ危機的場面に遭遇しても顔色を変えなかった店長が顔を青ざめていた。 (一体どんな恐ろしい事態が??!) 息をのみ、店長に続きを促す。 「な、何がやばいんだよ!」 「・・・」 「おい!!早く言えって!」 「・・・コンビニ、開けたままだった」 「・・・・・・え?」 そういうが早いか店長はマッハで走り去った。 びゅんっ 走っていく方角は確かにコンビニがある方だ。え、本当に開けたままでここに来たのか?確かに商品とかレジの金取られたらやばいけど・・・でも、でもさ。 「ここで放置すんなやーーー!」 俺はひとり叫ぶのだった。

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