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第3話
「ぁっ、んっ……」
「し、げる……」
何がどうなっているのか分からない。
ただ分かるのは、俺が園原に犯されているって事だけ。
「ん、んっ!!///」
「茂、逃げちゃダメ。もっと可愛い顔僕に見せて」
この俺が、何人もの可愛い奴等を抱いてきたこの俺が。
小柄で、女みたいな顔した、可愛い園原に抱かれている。
「いや、だ……おれ、かっこ、わるい……」
今にも溢れ出してしまいそうになる涙を堪えながらも、俺は自分のあまりの情けなさについ声が上擦ってしまった。
もういっそこのまま死んでしまいたい。
「……茂」
「ぁっ、やっ!///んんっ!///」
俺の中でグチャグチャに混ざり合ったローションと精液が、園原が動くたびグチュッといやらしい音をたててくる。
まるで、絡みついてくるみたいだ。
「僕ね、ずっと茂の事が好きだったんだ」
「……え?」
その時、汗と精液で濡れたお互いの肌がピタリと密着した。
伝わってくるのは激しくなる心音と、園原の甘い息遣い。
「僕、茂と付き合いたくて可愛くなろうと頑張ったんだ。筋肉が付かないようにあまり運動してこなかったし、肌が荒れないように色々洗顔とか化粧水とか使ったし、それに髪だって染めた。でも、それでも茂は僕を見てくれなかった……」
「……その……はら」
ドクドク、ドクドク、熱が上昇する。
「でもやっぱり諦められない!僕が可愛くないなら、茂が可愛くなればいい!そう思ったの!」
「……えっ?」
「ねぇ茂。僕だけに見せる顔、見せてよ……」
その瞬間。
園原が俺の奥まで一気に入り込んできた。
興奮で太さを増した先っぽが、俺の良いところをコツコツ当ててくる。
「ぁっ……あぁあ///」
いきなりの刺激に思わず俺は園原の背中に手を回し、爪が食い込むほどしがみついてしまった。
「ごめん」なんて言う暇も、考える暇もない。ひたすら腰を動かし、俺の中を搔き乱す園原に俺の頭はどんどん真っ白になっていく。
恥ずかしさも、後悔も、惨めさも、今はない。
あるのは快楽と、園原に対する想いだけ。
「(どうしよう、園原がカッコイイ)」
あんなに可愛いと思っていた奴が、俺に好かれる為だけに色々頑張っていたんだと分かっただけで、心臓が爆発してしまいそうなくらいバクバクしている。
今までになかったこの気持ち。
園原から見たら、俺って可愛いのだろうか。
「そ、の……はら」
なら俺はーー。
「これが、お前だけに見せる俺の顔だよ……」
お前の前だけは、お前の好きな顔でいたい。
汗で濡れた園原の唇に優しく口づけながら、俺はねだるように自分の唇を舐めとった。
その姿に興奮してくれたのか、俺の中で園原が一気に射精する。
「ぁ……おなか、あつい……」
パンパンになった自分の下っ腹を指で愛おしく撫でまわすと、園原の力強い手が俺の腕を引いて口づけをした。
それはまるで鎖を付けるように、何度も何度も吸い付いて、痕を残す。
「っ……もう、今度こそ本気にしてもいいんだよね?茂」
ドクドク。ドクドク。
俺の中で交わる熱い、熱い、想い。
「うん……好き。俺、園原が好きだ」
もう一度、今度は深いキスを交わしながら。
俺は、小さくて可愛らしい園原の手をしっかりと握りしめた。
あれから俺は、可愛い子を追いかけるのは止めた。
別に園原の為ではない。
可愛い子を見ていると、あの時の自分を思い出してしまうからだ。
「あぁ!クソ!やっぱ次こそは、この俺がアイツを!」
「お前は、僕に抱かれてろ」
「うぐっ!//」
「ね?し・げ・る」
可愛い顔で惑わす小悪魔に、俺は何故かいつもこう思う。
「カッコよすぎんだよ。このバカ……」
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