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エピローグ

びっしょりと汗をかいていた。 パジャマが肌に貼り付いて、気持ち悪い。 おそ松は布団の中で、目を醒ました。ドッドッと心臓が早鐘を打っている。全身が熱い。熱くて仕方ない。発熱をしたのかと思ったが、風邪のような熱ではなかった。 怠さだけでなく、ーーなぜか甘い痺れを感じる。 兄弟達の寝息を聞いていられなくて、慌てておそ松は布団から飛び起きた。 トイレへ逃げ込む。 鍵をかけた。 1週間の体調不良で体力のなくなったおそ松は、少し走っただけでふらっとして、床にへたりこんだ。 自分の体に何が起こっているのかが分からなかったが、とりあえず息を整えようと深呼吸をしようとしたところで嘔吐感に陥った。 便器に顔を突っ込み、えずいた。 と、同時に、背筋がゾクゾクと震えた。 甘い、甘いーー絶頂だった。 おそ松は信じられなくて、目を見開いた。恐る恐る自分の股間に手を触れた。グチュッと濡れた音と感触が、ソコにはあった。 「な、んで…っ…おぇ」 再び、えずいた。 ほとんど胃液しか吐き出せず、苦しい。けれど、ぺニスは痛いほど張り詰めて先走りを垂らした。 苦しい、辛いーーけど、それが勃起するほど、気持ちがいい。 「…っン…」 おそ松は堪らずぺニスと、そして、無意識にひくつくアナルに指を添えた。 右手でゆるゆると前を扱き、乾いたままの左の中指をズプッとナカへ潜らせる。快楽が増し、嘔吐感も増した。 「んっん、ぅンンっん、ぐぅ…っンン」 家族に聞かれないように、唇を噛みながらおそ松はえずきながら自分を慰めた。 「っふ、ぐぅ…っんっんっ、んぁっ」 手の動きが速くなり、息が上がる。 ゾクゾクと快楽が身体中を這いずり回る。 まるで、それはウィルスのように増幅し、おそ松を苦しめ、喜ばせた。 「はぁっ、ハッぁん、っーーンンン!!ヴっ」 2回目にも関わらず、おそ松は勢い良く、手の中へ射精した。きゅうっとアナルもきつく締まり、自分の指を美味しそうにしゃぶっていた。 それとは反対に、口からは胃液を吐き出していた。 ーーー気持ちよかった。 すごくすごく気持ち良かった。 吐精と嘔吐の瞬間、頭の中が真っ白になった。 そして、おそ松は そうだ、 と思い出した。 毎年、コレを自分は待っていた。 望んでいた。 ーーー『おそ松』が、『自分』で、『望』んだんだ。 どうして自分は忘れていたのだろうと、絶頂の余韻でピクピクと震えながらおそ松は思った。 不意に、コンコンとトイレのドアがノックされた。「大丈夫か?おそ松」と、自分を心配するカラ松の声がした。隣で寝ていたから、おそ松がいないことに気付いたようだ。 すごく気持ちいい『コレ』を、こいつにも教えてやろうか? いや、ダメだ。 これは、秘密にしなくちゃいけない。 誰にも言っちゃいけない。 『今度こそ』誰にも言わず、約束を守らなくちゃいけない。 (約束…?誰とだっけ…?) 頭の中が霞む。 (ああ、でも、守んなきゃ。ちゃんと『良い子』で待ってなきゃいけないんだ) 真っ黒く、心の中が塗り潰される。 ねっとりとしたソレは、やけに重く、おそ松自身も知らない隙間に入り込んでいく。 ゆっくりと、おそ松は微笑んだ。 「何でもないよ、大丈夫」 ざらついた声が、聞こえた。 end

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