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第240話
眠ってるユキを風呂にいれ、中に入っていたものを掻き出してから風呂を出てソファーに寝転ばせる。新しいシーツを敷いてからユキをベッドに運んで俺も隣に寝転んだ。
性欲的には満足してないけれど精神的にはすごく満足してる、こうなれたことが何より嬉しくて。
眠ってるユキの首筋にキスマークをつけて俺のものだと、誰にも渡さないんだとニヤニヤ笑っているとニャーと寝室に入ってきていたシロが俺の手を軽く引っ掻いた。
「シロも寝るか?」
「ニャー」
「おう、ここおいで」
トントンとベッドを叩くという通りにこっちに来るシロ、いいこだなぁって撫でているとユキが寝返りをうって俺の方を向く。
「…愛してる」
ユキの唇に触れるだけのキスをするとユキがふんわりと笑った気がした。
***
「…ぅ…ふ、ふ…ぇっ…」
「んー…?」
ユキが泣いてるような声がして目を開ける。隣をみると俺の方を向いたままユキが泣いていて驚いた。
「どうした?」
「…う…ぁ…いた…」
「痛い?どこが?」
「背中、痛いの…」
あ、と思って申し訳なくなってユキに「ごめん」と謝る。
「なんで…?」
「セックス、したからだな」
「…そうなんだぁ、僕、病気、思ってビックリしちゃった…」
痛い理由がわかった途端、にこにこ笑ったユキ。セックスに関しては嫌じゃなかったようでよかった。
「僕、気持ちい、たくさんなった…」
「うん」
「命も、気持ちい、なった!」
腰が痛いから動きたくないようでぎゅーする、って俺に腕を伸ばして来る。それに応えて、そのままもう一度眠ろうとすると
「…お、おしっこ…したい……」
「!!」
急いでベッドを出てトイレに連れてきてやると「見ちゃだめー!」と言われ追い出される。こんなこと前もあった気がするな。
「………そういえば、世那どうなったんだろ」
山瀬組との抗争も終わったし、もう家族のもとに帰ったのだろうか。
ジャーと水の流れる音がしてゆっくりとドアが開く。ユキが出てきてすぐに抱き上げてやるとホッとしたように胸を撫で下ろしていた。
「背中痛くて、転ける、しそうなった…」
「ゆっくりしてような」
ユキをソファーに下ろして寝転ばせて毛布を持って来て掛けてやるとフフっと笑った。
「何だよ」
「…ふふっ…命、ちゃんと帰ってきた…」
「ああ」
「僕…たくさん…幸せ」
そういうユキにひとつ聞きたいことが前からあって。
「俺と、一緒にいるの、幸せか?」
するとユキは優しく微笑む。
「命と一緒いれるなら、たくさん幸せだよ」
「そうか。───…なあ、ユキ。」
「何があっても、ずっと一緒にいような」
笑いあってキスを交わす。
幸せな日々がこれからも続きますようにと願って。
『ヤクザさんと少年くん。』
END
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