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第1話
ひどく頭痛がした。
頭の中はもやがかかっているようだった。
身体はあちこちが痛み寝返りをうつのも困難だ。中高生のころ、無鉄砲な喧嘩沙汰で大けがをしたことが何度かあったが、あの時と同じ感覚だ。何かの拍子に乱闘になって、袋叩きにあったのだろう。
しばらくして、目が覚めて、彼がいることに気づいた。
ベッドサイドに立ち、こちらに顔を向けている。
こんなにきれいな男がこの世に存在していることに驚いた。
目も、口も、鼻も、なにもかもが精密に整っている。
じっと自分を見下す彼には表情はなく、感情は全く見えない。まるで、死後の世界の天使のようだ。
声を出して、彼に呼びかけようとした。だが、喉はかさつき、音にならない。
触れたくても手は動かない。なにかしようとすると全身が痛む。
この美しい青年は誰なんだろうか。ずいぶん前に会ったことがあるような気もする。
ぼんやりとした記憶の中をたどるが、思い出せない。
ふと、彼が数回瞬きした。長い睫毛がかすかに濡れていることに気づいた。
泣いているのか?
だけど、どうして。
泣いているのなら、慰めてやりたいと思った。
この美しい青年が、誰かわからないけれど、自分が、一目で恋に落ちたのは確かだった。
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東城と広瀬、大好きな2人が、年末に登場とは! 記憶がないという事でどんな揺さぶりをかけていくのでしょうか? 普段ラブラブなだけに、いつもは見られない2人の間が暴露されそうでワクワクしてます!
コメントありがとうございます!年末年始はこの記憶喪失のお話をお届けする予定です。ここで申し上げるのもなんですが、honoluluさんのアトリエブログ愛読してます。ツーリストシリーズ好きなので、続きがあったら読みたいです。(アトリエブログの方にコメントすべきですよね。。。気が小さいのでコメントできず、お声がけいただいてうれしいです)
ツーリスト 読んでいただき感謝感激です! 短いのでおはなしに載せるのもと思いアトリエに載せたのに感想いただけるとは(≧∀≦) 続きはロックの日にというお話の中のjazzハウスの中に絡めるか短いままアトリエに載せるかして書こうと思っています。 東城さんと広瀬さんの番外編、ツイッターで紹介させて頂きました。事後報告すみませんm(__)m
ツイッターでご紹介ありがとうございます。ツーリストの続きも楽しみにしてます!
私も泣いてしまいそうです。よよよ。でもちゃんとハッピーエンドって書いてあるのでドキドキしながら読ませてもらいます!
記憶喪失っていう想像しがいのある設定ありがとうございます。書いていて楽しいです。