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最初で最後

──しかし、いくら待っても予想した衝撃は来なかった ゆっくり目を開いてみると、そこにはにっこり微笑んだ彼の顔が 「…本当は、抱かせてって言いたい所だけど、無理やりやるのは俺も嫌だしね それに、先生が守りたいことは、俺も守りたいから」 以前にも、彼にキスがしたい、抱きたいと言われたことがあったのだが、先生と生徒の関係でもある間は出来ないと拒んだのだ ちゃんとその線引きは守りたいと言った僕の言葉を、まだ覚えてくれていたことに嬉しくなる 「…でも、これぐらいは許してね?」 そう言って僕の前髪をゆっくりと持ち上げ、額にキスをした 真っ赤になる僕を見ながら彼が続ける 「それから、今日は添い寝していい?」 最初で最後になるだろうし、それぐらいは構わないだろう、そう思って了承した

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