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第1話

──10月下旬 のある日  時刻はAM6:30 「あきー!起きて!!」 朝ごはんを作って暁冬を起こしに行くのが、最近の俺の日課になっている。 「んーもう、少し…」 暁冬はそう言って毛布に包まってしまう。   「朝ごはん!!時間ないよ!?」 医学部時代から同棲をしていて、もう何度このやりとりをしてきたことか…。 「あきってば!!!」 ガバッと布団を剥いでやる。季節は秋も終わりに近づいていて、朝はかなり冷える。 「やぁあっ……さ、さむいぃ…」 必死に手が布団を探して彷徨う。 「朝からヤラシイ声出さないで!!犯すよ?」 ──犯す…? その言葉でやっと意識が覚醒した。 「やだっ…!」 バッと起き上がる。 「おはよう」 ニヤニヤしている博也と目が合った。 「……おはよ」 2人でキッチンに向かい、食卓につく。   今日はいつもより起床が遅かった為に、お互い朝からバタバタしていた。 「僕、昼からだから家のことやっとくね。」 そう言って、朝から出勤の彼を見送った。 「よろしく!じゃあ時間だから!」 お互いの仕事柄休みが合う事はごく稀な為、朝食と夕食のどちらかは一緒に摂るのが同棲してからのルールになっていた。   たまに休みが合った日は一緒に料理をしたり、外食に出たりもしている。

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